11 わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます。(ヨハネの福音書10章11節)
ヨハネの福音書10章11節から21節までの中に、「いのちを捨てる」というフレーズが4回出てきます。これは直接的には、良い牧者であるイエスキリストが私たち羊のために、十字架でいのちを捨ててくださることを意味しています。
良い牧者であるイエスキリストは私たち羊の所有者です(12節)。私たちのことをいつも心にかけてくださっています(13節)。そして私たちを知ってくださっているのです(14節)。
この良い牧者に対する言葉として用いられているのが「雇い人」です。この聖書の箇所の中では、ユダヤ人宗教指導者たちを指していますが、一般的には偽教師のことです。そして牧師である自分自身にとってもとてもチャレンジで、自分自身は「牧者」なのか「雇い人」なのかを問いかけられます。
「雇い人」は報酬のために働きます。ですから十分な報酬が得られなかったり、自分の利益にならないような状況になれば、羊を簡単に見捨てるのです。そして報酬は、一般的に「働き」の対価です。しかし、神の前に私たちは「何の働きもない」ものです。何の働きもないものが、ただ一方的な神の恵みによって救われました。私たちの牧会や奉仕は、その神の恵みに対する応答です。そのことを忘れずに心に刻みたいと思います。